ついに私の見回り当番の日にイノシシが罠に入る。初の止め刺し・・・
毎月二回の見回りへ
通常の見回りへ出発して8個目の罠へ。
いつも上がっている罠の扉が落ちているように見える。
タヌキか鳥がワイヤーに触れておちなのかなぁ。再セットが大変だなぁ。とか思いつつ近づいてみると・・・
ガンガン檻の中で暴れているイノシシが・・・しかも2匹。
「カチカチカチ」と顎を鳴らして威嚇してくる。
マニュアルに従い班長に電話。「応援を呼ぶから残りの罠を回ってきなさい」とのこと。
証拠写真が必要になるので檻の中で生きている写真をスマホで撮影。
応援の人が来る時間に間に合うように再セット用の米ぬかやもみ殻を準備しに行く。
発砲!
応援の先輩たちが到着しいよいよ発砲。
その前に管轄の役所に電話。
銃に弾を込め箱罠に近づいていく。ちょっと怖い。
「檻の中に銃口を入れて構えて。イノシシが近づいてきたら脳天を撃つ」
という簡単な作業だそうなw
銃口を齧られるのが嫌なので遠慮がちに箱罠に入れてみる。「カチカチ」と顎を鳴らして寄ってくる・・・
ドン!
躊躇なく発砲すると、顔に返り血が飛んだ。
眉間のあたりにスラッグ弾が中ったと思われる。
先台をスライドし排莢。次弾を装填して同じ作業を繰り返す。
「ドン!」と鳴ったときにはイノシシは地面で痙攣していた。
私の初止め刺しはあっけなく完了。
「おつかれ」と先輩たちにお声がけいただき。イノシシを引っ張り出して、罠の再セットや証拠写真の撮影。
忘れてならないのが尻尾の改修。これは証拠として提出が必要なのだ。
殺生への思い
2頭のイノシシの命を自らの手で絶った訳だ。
彼らは農作物を荒らすが、本能に従って食事をしているだけ。
悪いことをしている意識はあるはずもない。
しかし、こちら側の都合で駆除される。
そんなこんなでいろいろな葛藤があると聞いた。
が、私にはそんな思いはほとんど無かったように記憶している。
去年カモを獲っていたからかもしれないけど、モゾこいと残酷という思いは無かった。
「罠にかかっていたから撃つ」「駆除隊に入隊したからには撃つ」
そんな感じかな。
ウリ坊あたりはモゾこいと思うけど、あまり考えないようにしてる。大きくなれば畑や田んぼを荒らすんだし。
農家の人の箱罠に呼ばれていくと「かかっているのは母親で、周りに子供たちがウロウロしているからそいつらも撃ってほしい」と当然のように言われる。
そして私は子供たちから撃つ。箱罠の中の親から撃つと子供たちが逃げるから。
あんまり細かいことを考えたらダメだよねぇ・・・