駆除依頼 その3

電話

6~8月くらいに「止め刺しに向かって欲しい」と電話が来ると、ちょっとアレだ・・・・

箱罠の種類

箱罠の種類というか、設置者の種類とでも言おうか。
私が加入させていただいている「鳥獣被害対策実施隊」で設置する罠の他に、地域の人たちが市なり町なりから支援をいただいて設置する罠もある。
オラほの部落にイノシシがでるからなんとかすっぺ!
てな感じで役所に行き、罠の設置を支援してもらう。
そんな感じで設置された箱罠が「地域の罠」のような呼称になるわけだ。

止め刺し依頼

で、その地域の人たちが箱罠を設置する。
その箱罠は我々「鳥獣被害対策実施隊」が見回ることは無い。
そう、その地域の人たちが見回りを行う。
鳥獣被害対策実施隊の罠の他に、そういった罠まで見回るには時間も人員も足りない。なので設置した人たちに見回りをしてもらい、餌を入れたり仕掛けのセット、メンテナンスをしてもらったりする。
その後、その地域の人たちが見回りをして、箱罠にイノシシが入っていたとする。
その人たちは設置の許可はもらっているが、銃を撃つ許可は持ち合わせていない。
牛を飼育していたりすると殺生そのものが苦手だったりもする。特に狩猟を趣味とするわけでもなく、電気槍を所持しているわけでもない。
地域の人たちは 畑や田んぼを守るために専門家のアドバイスをもとに箱罠を設置。農作物が荒らされたら生活に影響が出るからだ。
しかし、かかったイノシシの止め刺しに関してはほとんど初心者。
となると、止め刺しはどうなるのか?
そう、実施隊に「止め刺しのみ」という依頼がくるのだ。

隊長から電話。現場へ。

〇〇さんちの裏にある箱罠にイノシシが入ったそうだ。行けるかい?
「行きます!」
なにもなければ止め刺しは断らないようにしている。
地図とカーナビを頼りに現場へ到着。
「おー、猟友会の! 暑い中ごくろうさまねー」と〇〇さん。
「ちょっとモゾこいけど、大きくなると畑を荒らすのよねー。よろしくねー」
「承知しました。危ないので離れていてくださいね」
そう暑い時期は彼らがかかるのだ・・・・
※モゾこい=可哀そう

ウリ坊4頭。
ネコと大差ない大きさ。とても可愛い。

夏場はウリ坊フィーバー。
成獣はオリにガンガン体当たりしてきてふてぶてしいけど、ウリ坊はチョロチョロしててとても可愛い。
ずっとこのままの大きさなら絶対に持ち帰るw
農家の方々にとっては4頭の成獣に暴れられたら死活問題。
小さいけど心を鬼にして止め刺しを行う。
なるべく苦しまないように、一撃で意識を断ち切りたい。
「目標をセンターに入れてスイッチ」そう繰り返すw
ウリ坊をスラッグで撃ったことがあるが、ほとんど食べるところが無くなってしまう。また、一回で2~6頭が一気に入る。
となると散弾だと何発も打つから音も気になる。チョロチョロしてて成獣より狙いが定まらない。
よって空気銃の出番である。
「終わりましたので写真を撮影します」というと決まって「え?終わったの」と言われる。
散弾持ちしか来たことがなかったんだと思う。
静かなのはいいことだ。

最後の処理

こういった地域の罠は捕獲者が「罠を設置した人」という事になる。
なので、責任者の人とイノシシを一緒に撮影して役所に提出。
そして、イノシシは置いてきてOK。
死体の処理がないのはかなり楽である。
置いて行かれた方は食べるなり埋めるなりするわけだ。

ウリ坊は食べてもいまいちだし、精神的にアレなのでできれば大きくなってから罠に入ってね

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